
巨大電子部品シリーズの第10作目になります。
高校1,2年の時に作り始めましたが、大学入学以降作っていませんでした。
かなり技術力もUPしたのでサクッと作ってみました。
今回も制作のおおまかな工程を動画としてまとめています。
制作過程
- 設計
- 部品作成
- 塗装
- 組み立て
1. 設計
全体の構想として、
- 内部にマイコン(マイコンボード)が入れられること
- 端子が金属製であること
を軸として設計しました。

足は削り出しかベンダかで悩みましたが、結局削り出しで作りました。
僕が現在自由に使わせていただいている設備では、マシニングが基本アルミ加工用なので材料はアルミになりました。
本当は鉄が良かったのですが、エンドミルがDLCとかが常設になっていて交換がめんどくさかったので妥協です。
経験的にアルミでもちょっと処理すればそこそこの期間表面の導電を保てると分かっているので、まあ良いという感じです。
ミスミのmevieyで発注してみるかと思いましたが、見積もりしたら全部で数十万になったのでウケました。仕方ない。
本体側は3Dプリンタで作る設計にして、ボルトとインサートナットで締めこむ感じにしました。
インサートナットではなくて直接部品にタップを立ててもいいんですが、どうせならというレベルです。
特に仕様がきついものでもないし、ロボットみたいに動いたりもしないので特に難しいことはなく、ここに書くこともこんなところです。
2. 部品作成
パーツは
- 本体上
- 本体下
- 足
の3つです。
本体は3DプリンタのAdventure4でABSで印刷しました。
adventure4はとてもいいです。個人用3Dプリンタの中ではかなりコスパ良い部類だと思います。
今回のパーツもABSでインフィル100%で出力しましたが全然反らずに印刷できます。
細かいパラメータはまだ詰め切れていませんが、それなりにきれいな造形で大満足です。

足はマシニングセンタで削り出しです。
超ジュラルミンを使いました。
マシニングはとっても便利です。
本体と足の固定は設計段階ではM2ねじでの締結を考えていましたが、加工が面倒そうだったのと位置決め(特に地面とのガタつき)が調整しづらそうだったので接着で妥協することにしました。
3. 塗装
3Dプリンタで出力した部品を塗装するときは下処理として、いきなりサフというサフの原液を少し薄めて筆で塗って研磨して面をだす方法を使っています。
それなりに早く、良い見た目になるのでお勧めです。塗装は基本ラッカースプレーですが、塗料のノリもだいぶ良くなるので良いです。
平面が多いとエッジを出すのが難しいです。ベルトサンダが欲しいです。
このサイズだとだいたい研磨工程を3回繰り返して作業時間は3時間ぐらいです。

文字部分の塗装はステンシルを張って塗ります。
ステンシルはInkscapeでデザインして、ローランドが出しているスティカというステッカーなどを作る機械で切り抜きました。高校時代はこんな便利なものなかったのでコピー紙に印刷してカッターで切り抜いて作っていました。カッティングシートだとシールみたいに張ってはがせるのでとても良いです。
4. 組み立て
組み立てはほぼ動画の通りです。
やはりプリンタ部品だとそれなりに隙間とかができてしまうので、はめ込みの接触部を短くマイナス寄りに削り、ねじで最後にパワーで締めこんでごまかしました。
インサートナットをインサートしているので余裕です。
終わり
久々に作った巨大電子部品でしたが、個人的に多忙を極めていたため製作開始から完成まで4か月以上かかりました……
作り始めたらほかのタスクを無視してでも一気に専念して終わらせないと、期間が開くと余計に時間がかかる傾向にあるので反省です。
特にソフトウェアが絡むと無限に終わらなくなるので、残りの貴重な学生期間を効率よく使いたい。
コメント